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とびらをあけるメアリー・ポピンズ

「ねえ、いこうよ!」マイケルは、舗道のうえをとんだりはねたりしながら、じれったそうにいいました。
気にもかけずに、通りに立って、シンプソン先生の門の真鍮の看板にうつっている、じぶんの姿にみとれていました。
「とても、きちんとしててよ。」と、ジェインがうけあいました。
「きちんと!」鼻を鳴らしました。青いリボンのついた、新しい黒い帽子をかぶってきたのに、きちんとしてるですって? きちんととは、なんとまあ! きれいだとでもいえば、まだ近いのに。と、考えました。そして、頭をぐい ともたげると、大またにどんどん歩きだしました。子どもたちは、ついていくのに、走らなければなりませんでした。


ふたりは、ペパミントのステッキをいきおいよく走らせながら、乗り手のむらがるなかを、縫うように進んでいきました。風が、顔をかすめて、どんどん流れていき、ひづめの音が、こだまして、耳にはいってきました。ああ、いったいどこまで乗っていくんだろう?おひるごはんに、家へ帰るのかしら?それとも、地球のはしのはしまで、いってしまうんだろうか?
ふたりのまえには、いつも、道をしめしながら走っていく、姿がありました。優雅に、ゆったりと、こうもりがさに乗って、両手をさげて、オウムの頭に、おいています。帽子についた、ハトの羽根が、完璧な角度で風になびいていて、きている服の、ひだ一つ、みだれていません。なにを考えているのでしょうか?それは、ふたりには、わかりません。ですが、ロには、ほほえみを、みずから満足したほほえみを浮かべています。それは、じぶんでじぶんのことが、すっかり気にいっているというようにみえました。


「おみえです、大ウミガメさま! いま、つきました!」
アザラシのことばで、口々に叫ぶ大きなときの声があがって、生きものたちは、手を打って、はやしたてました。そのとき、子どもたちが驚きあきれたことには、ふしぎと見なれた人影が、トンネルのロに、姿をあらわしたのです。いちばん上等の、紺の上着をきて、デイジーの花でふちを飾った、むぎわらの帽子をかぶって、そこに立っているのです。やがて、気品たかく優実に、きちんとととのった姿で、光り輝く庭に、舞いおりました。そして、大ウミガメのいる岩におりたったときには、かっさいの声が、歓喜のどよめきにまで高まりました。
「ようこそ、メアリー・ポピンズ!」千百の、よろこびの声が叫びました。

「さて、親愛なるメアリー、」と、大ウミガメが、先をつづけました。「古来、海の深みまで下って、なにももち帰らなかったというものは、いないのだから、わたくしも、あなたに、ささやかな贈りものを、差上げるとしよう。」
そういうと、ひれを、うしろのほらあなのほうへのばして、ちいさな、きらきらしたものを、とりだしました。「あなたの来訪の思い出に、これをおとりなさい。きれいなブローチにもなろうし、あるいは、帽子ピンにもよいかもしらん。」そして、身をかがめて、上着に、星の形をしたヒトデを、つけました。それは、青い地色の上で、ちいさな、ダイヤモンドの集まりのように、きらきらと、明るく輝きました。
「まあ、ありがとうございます!」うれしそうに叫んで、いいました。「ちょうど、わたくしのほしいと思っていたものです!」


「さあ、すんだ!」と、叫んで、じぶんの仕事を眺めました。「ピンのように、きれいになりました。ずっと、そうあって、ほしいもんです!」
それから、いちばん上等の紺の上着をとりだして、ブラシをかけました。ボタンに息をかけてつやを出して、ヒトデの星のブローチを、えりにとめました。黒い、むぎわらの帽子を、ひっぱったりのばしたりして、デイジーの花飾りを、兵隊さんのように、ぴんと立てました。それから、ぱりぱりいう白いエプロンをはずして、ヘビ皮のベルトを、腰にとめました。そのうえには、〈おくりもの、どうぶつえんより〉と書いたあいさつが、はっきり見えていました。
「それ、ずいぶん長いこと、しなかったね。」マイケルは、気にしながら、みていて、いいました。
「よそいきに、とってあるんです。」しずかに、そう答えて、ベルトをゆすって落ち着かせました。

とびらをあけるメアリー・ポピンズ

子どもが見て「自分で自分のことが、すっかり気に入ってるというように」みえる女の人って素敵です。

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